浸透圧の計算による、塩抜き

唐墨の仕込み 前回の模様はこちら↓
https://www.wami-rin.com/blog/20221031084811/

前回の唐墨の仕込みの続きを、お話しします。

唐墨の基本的な仕込は、
血栓を抜く→塩をする→塩を抜く→脱水→乾燥させる
という工程です。

 

塩をして、時間が経過したボラの卵

塩をしたボラの卵

時間が経過してくると、このように水分が出てきます。

〆さばみたいな感じと言いますか、ボラの卵を塩で〆たという
表現になります。

これから、塩を落として、浸透圧の計算による塩抜きを行います。

ボラの卵、旨味たっぷり

この画像は、塩抜きをしている際の、浸透圧の計算をしています。

数値ではなく、ボラの卵から出てきた旨味の味を見極めて、
塩水の濃さを調整します。

私の考えですが、この塩水はボラの卵から出てくる出汁(だし)と
考えています。

この出汁の味わいの塩分と、ボラの卵の中の中心の塩分と旨味は、同等であるという法則を、10数年に渡る唐墨作りの研究から、見出しました。

私が表しているボラの卵の出汁(だし)は、塩辛すぎたら、仕上がりが塩辛い唐墨となり、逆に塩が甘すぎると、保存が効かない、日持ちが計算できない唐墨となります。

ボラの卵の風味が引き立ち、塩味(えんみ)もありながらも、
ボラの卵の旨みを最大限に感じるバランスに調整する
それが、バランスの良い浸透圧の調整であると推測されます。

若い料理人の皆さん、もしこのブログを見て参考にするなら、
ここをしっかりと、長い時間をかけてマスターしてください。

このバランスは、料理全てに活用できる考え方ですから。

要するに、塩梅の取得です。

脱水

塩を抜く作業、その次に焼酎に漬ける作業の後、
脱水に入ります。

うちでは、このようなバットに並べて、一番上に、もう一枚バットをのせて、
重石をかけます。

ボラの卵の状況によりますが、大体一晩ですかね……

ボラの卵の中の余分な水分を抜きます。

重石も重すぎてはだめですし、どれくらいかは経験あるのみですね。

干すという最終工程へ進みます。